親の趣味ごとを、子は引き継げるのか、否か。

山盛りの趣味グッズを託される。

造花を一輪、つまむ人
造花を一輪、つまむ筆者

多趣味な母である。 物を作るのがとにかく好きな母である。
造花。レザークラフト(革細工)。木目込み人形。押し絵。手芸。ハンドバッグ作り。


実家は物で溢れかえっていた。(おそらく本人はそうは思っていなかったと思うが)

現在も継続中なのは、手品。フラダンス。たった2種類かと思うなかれ。目の覚めるようなフラの健康的で鮮やかなギャザーもりもりの衣装の嵩張ること嵩張ること。

手品、マジックのグッズは、まだまだどんどん増殖中だ。一時は、そうか、わたしもマジシャンか!?と、面白半分引き継ぐことも考えたが、その量の多さに今は何も考えられない。


実家から一番最初に引き上げてきたのが、造花である。6年前。屋根裏に、てんこ盛り、大量に吊り下げてあり、子どもの自分達が体がしんどくなったらとてもじゃないけど下ろせない。元気なうちにと全部私んちに持ってきた。親の体力はその頃はまだまだあったがそれは二の次で、自分の体力があるうちというのがポイントである。造花用の染料も山盛りで、焼鏝も2〜3台。テープに針金、その他諸々。

毎年少しずつ、季節ごとに分け、どうにか飾ることができる状態になった。

量が多すぎて、自分ちの押し入れに入れるのは難しい。段ボール箱は 残念ながら剥き出しのまま本棚と天井の間に積み上げている。


次に引き上げたのは、革細工の備品である。

これも、小瓶に小分けにした液体の染料が靴の箱に3〜4箱。色留めや、下地の液体。刷毛、筆、もろもろ。どうにか、まとめて仕舞えたので、今は困ってはいない。レザークラフトを今後自分が趣味として取り組むかと考えると、うーーーむ、残念ながら今のところは可能性はない。あの、革に柄をつけるというのが、もう、私にはNGなのである。


さて、飾ることのできる物の造花にしても、押し絵にしても、好きなものと好みでないものがある。好みでないものは、陽の目を見ることが少ない。だもんで、それは写真で、デジタル画像にして残すという方法を取っている。

これはきっと母上が体調悪い時に作ったんやろうなあ、あるいは、メンタルしんどい時に作ったのねーというものは、なんとなあく重たぁいどんよりしたオーラを感じる。写真は撮れても全く飾れなかったりする。

好きではないのは、手放すよーとは母上には伝えた。あんたに任せたからいいようにして、とは言われたが、捨てて欲しくはなさそうな後ろ姿である。

お花なので、綺麗し、あんたもいい思いをしているでしょうとはいうけれど、母親には悪いが、実はそんなことは殆どなく、結構それは勝手な言種。


譲り受けたものは、どうにか飾れるまでに整えられたので、安堵はできるものの、結構時間を使ってしまうこともあり、体力を消耗するだけだなあ、残念ながら半分以上はなんとも言えないストレスだと感じている私なのである。この物を手放すというのは、とんでもなくエネルギーを使う。


結論:親の趣味ごとは、子は好きでなかったら、引き継げません。


まあそんなこんなで、日々モノと格闘しています。 また来週。


筆者

【群青亜鉛:ぐんじょうあえん】
◆プロフィール◆カイゴのつれづれを、家族介護者の視点から、えっちらおっちらウェブにて発信(since1998年)。ばあちゃんへの”いっちょかみ介護”実践する。
◆介護関連著書◆
介護のお助けマンガエッセイ
介護用具・日用品カスタマイズ本(共著)
◆ウェブ連載◆
こちらウェブマガジン ”介護ライブラリ”にて「自宅で介護お助けヒント集」
“介護ライブラリ” 〜介護の悩みを減らしたい〜

◆ホームページ◆
群青*介護ブログ https://gunjoblog.wordpress.com/


コメントを残す